学生時代の”国語”というのは厄介な科目で
「国語はセンスで解いていた」
「勉強して伸びるものでもない」
そう思っていた人も少なくないはずです。
一方で、英語や数学は、
一朝一夕で伸びるわけではなくとも
「勉強していけば伸びるはず」
「勉強した分、結果がでた」
そういうひとが多いでしょう。
この2つの違いは
「必要な教え方タイプの違い」にあります。
勉強しやすい数学や英文法などは、
「体系的指導タイプ」
国語や英文読解などは、
「非体系的指導タイプ」
にそれぞれ分類されます。
(命名は思いつき)
野球に例えましょう。
バットの振り方や、
守備のとり方は
基本的に形が決まっています。
一方で
「試合の状況に応じた判断」は
試合の中で失敗を繰り返すうちに
“経験”として身につけていくものです。
バットの振り方、守備のとり方は
「体系的指導タイプ」
試合の判断は
「非体系的指導タイプ」
にそれぞれ分類されます。
体系的とは簡単にいうと
整理整頓できることです。
英文法は
「時制」「比較」「受動態」
などに整理して教えられます。
数学は
「関数」「図形」「方程式」
などに整理して教えられます。
一方で、
国語の読解は整理できる部分が
非常に少ない。
問題を解かせて
「この文章では13行目が根拠になって、この答えになります」
というように、
具体的な問題を通して
身につける必要があるのです。
いわば訓練を積ませるのです。
非体系的な指導ができる教師は
大変少ないので
「国語はセンス」
「国語を教えれる先生がいない」
そう考えられています。
例えば副業において下記二つ
・プログラミング
・Webデザイン
そのうちWebデザインは
「センスが必要そう」
そう考えられます。
その原因は「Webデザインの方が非体系的に教えなくてはいけない領域が多い」というのが大きいでしょう。
さて、ボクらがコンテンツ販売をする上で
非常に重要なのが
「非体系的な教え方をできるようになろう」
ということです。
理由は下記
・多くの人が「体系的なものしか教えられない」
・多くの書籍が「体系的に情報をまとめている」
もはや情報はインフレしています。
単に整理整頓された知識は
「書籍・Google・Youtube」に
無限に転がっているのです。
もしあなたが「唯一自分だけが持っているレア情報」があるなら、それでOK。
しかし、本で学んだ情報を自分のものにして発信したい。
そう考えるなら
「非体系化指導タイプ」を身につけることが、
唯一にして最大の差別化方法、
読者の満足度を最大限に高める方法
になることでしょう。
それでは「非体系化指導法」について教えていきます。
非体系化指導法の極意は下記の4点に集約されます。
・最初に最低限の体系化をおこなうこと
・具体的なワーク(問題)を通して教えること
・思考回路を垂れ流すこと
・手品の種明かしのように教えること
ボクはこの指導法を、
林修先生から学びとりました。
ボク自身、高1まで「国語はセンスだ」と思い込んでいました。
しかし、高2の夏から林先生の講義を受けるようになり、最終的に偏差値50前後から72.2に上がりました。
自分の才能ではありません。
すべては彼の指導法にあります。
そんな林先生が言っていた、面白いエピソード
昔、とある予備校で指導していた時のこと
生徒が全然予習をしてこないクラスがありました。
国語という予習必須な科目で予習してこない。
何度も続くので、とうとう呆れてしまいます。
あるとき林先生は、予習を一切せずに授業を行ったらしいです。
「私は今日、一切問題文を見ていません。
予習をしてこなかったので、
みなさんと一緒に問題を解いていこうと思います。」
黒板に大きな問題文のコピーを貼り、みんなと一緒に解いていきます。
「ここに傍線部があって
『〜とはなぜか?』と聞かれている。
理由を探すにはこの接続詞をみて…..」
驚くべきことに、その日の授業評価は今までにないほど良かったそうです。
それもそのはず。
林先生が全ての思考プロセスを、問題文に合わせて語るんです。
「なるほど!その思考になるのか!」
「その接続詞を根拠に答えを作るのか!」
生徒はその瞬間、ミニ林先生になります。
同じ思考回路をたどります。
林先生自身は
「種明かしをしてしまうことになるので、もうやりたくはない(笑)」
とおっしゃっていました。
これを3ヶ月ほど繰り返すと、
常にミニ林先生になれるようになるんですね。
「非体系化指導法」の本質です。
今の具体例である程度、下記の意味が理解いただけたかと思います。
・最初に最低限の体系化をおこなうこと
・具体的なワーク(問題)を通して教えること
・思考回路を垂れ流すこと
・手品の種明かしのように教えること
最低限の体系化
最低限の体系化ってどういうこと?
最低限の体系化とは、
教える上で最低限必要な知識だけ
事前に整理して伝えること。
現代文で言えば
- 同内容が書かれた箇所を意識する
- 反対の内容が書かれた箇所を意識する
- 因果関係(原因と結果)を意識する
- 接続詞と指示語を根拠に解く
この辺りを授業の最初に
生徒さんに教えます。
これが「最低限の体系化」。
野球で言えば、
基本の戦略になるでしょうか。
次に大事になるのが
具体的なワークを通して学ぶこと
ワークを通して学習する
人間は「具体例」で学ぶ生き物です
学校の教科書に「理論の説明」
しか載ってなかったら、
どんなに大変なことでしょうか。
何やら抽象的な文だけを
読んで理解しなければ
いけないのです。
実際には教科書には
・例題
・練習問題
・章末問題
がついており、
さらに
・参考書
・定期テスト問題集
・過去問
を解いてようやく
理解します。
人間は具体的な問題を
みることで「なるほどそういうことか」
と理解します。
・文章読解や書き方
・スポーツ
・楽器の弾き方
こういったものは、
実際の作業の中で
身につけなくてはなりません。
具体的な問題や課題に
できるかぎり早く挑戦する
「習うよりなれろ」
これが最短の上達法です。
思考回路を垂れ流すこと
「習うより慣れろ」系の分野は、答えを知っても意味がない
英語の読解
国語の読解、表現
スポーツの判断
音楽の技術
こう言ったものは
「理解」しても
「使え」ません。
楽譜を読めても
ピアノは弾けない
ルールをしっても
ゴールは決めれない
こういった分野は
「思考法」を身につける必要があります。
すでにできる人が、
どの場面にどういう考えで
その行動をとったのか
判断にいたった根拠はなんなのか
この考え方を
3~6ヶ月間かけて
刷り込んでいかねばなりません。
この場合は、
林先生がやったように
一緒に考えながら
思考法をすべて言葉にだす
こういった指導法が非常に有効。
前項で「ワーク」の重要さ
を説きましたが
この「ワーク」を通して
上級者(あなた)の思考法を
存分に垂れ流すことが
良い指導となるんです。
手品の種明かしのように教えること
ハッと気づきを与える
最後に少し「感覚的な」話をします。
思考回路を丸出ししていくと
「ハッとする」瞬間が訪れます。
「そういうことだったんかい!!」
みたいな腹落ちする瞬間。
予備校時代、生徒によく言われました
「え、、そうやって解いてたんだ」
まるで手品の種明かしをするかのように
「こうやって考えると、
この思考にいたるよね?」
といった感じ。
まずワークをやらせて(手品を見せて)
解説で思考回路を見せる(種明かし)
これが至高の教え方だと思うんですね。
まとめ
教えにくいことを教えるためにはこの流れ
・最初に最低限の体系化をおこなうこと
・具体的なワーク(問題)を通して教えること
・思考回路を垂れ流すこと
・手品の種明かしのように教えること
文章やスポーツ、音楽など
訓練が必要な分野は
一朝一夕で伸びません。
しかし、上記の流れで
3ヶ月くらい思考を叩き込めば
十分に身についていくんですね。
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